迷える子羊×不器用男子

ときめくココロ

あたしは、鈴宮真柚【ｽｽﾞﾐﾔ　ﾏﾕ】。
ごく普通の高校1年生で彼氏とは最近別れた。
元彼の束縛が理由で別れたんだけど、今でも気になってしょうがない。
好きじゃないんだけど…目が元彼を追ってしまう…。


「だいじょーぶ？」
いきなり話しかけてきたのは、隣の席の関根優生【ｾｷﾈ　ﾕｳｷ】。
皆からは《関根》の愛称で呼ばれている男の子。普段は喋りかけないのに珍しいなぁ。
『え？何か変だった？』
あたしは関根を覗き込むように言った。
「めっちゃ顔怖かったよ？」
関根は鼻で笑うようにあたしに言った。
『だいじょーぶ。ちょっと考え事してたんだ～』
“あっそ”と言って関根は昼寝を始めた。
つか、寝るの早ッ!!まだ朝の8時だよ!?心の中で叫んでるあたしをよそにすやすやと眠っている関根。

「鈴宮」
『ッ!はぃぃ!!』

後ろから声をかけられた。
「うるさいな。そんくらいで大声出すな」

ウゲッ…逢坂光樹【ｱｲｻｶ　ﾐﾂｷ】…
学年でも3番以内に入る頭がいい男の子で、スポーツも出来るし、小顔でイケメン。
絶対間違ったことを言わない根っからの真面目男子。あたしは苦手中の苦手。

「おい」
『え～と何??』
「俺の机にお前のノート乗ってたぞ。はい。」

そう言われてノートを渡された。

『ぁり…がと』



キーンコーン…
予鈴が鳴って皆席に着き始めた。


…授業、全然分かんない～～～涙