迷える子羊×不器用男子


ホントはあるんだけどね。

逢坂が好きだけど逢坂を選べば、健吾が傷つく。
健吾からの告白は、断れたはずだったのに。
自分に甘いあたしはそれを受けいれてしまったんだ。
やっと言えた“別れよう”も一瞬にして消えてしまった。
絶対健吾は別れてくれない。しつこく言えば、また怖い思いするようだ。

このことをあたしは、あたしなりに悩んでいるつもり。

「1人で背負い込むのって良くないと思うんだ」
『うっ・・・ひっく』

自然に涙が出てしまったあたし。
皆にとってはちっぽけなあたしの悩みかもしれないけど
あたしにとっては大きな悩みなんだょ。。。

「鈴宮のタイミングで大丈夫だから」
『ひっく・・・』

あたしは大きく息を吸い込んだ。
『逢坂が好きだけど、健吾とわかれっ・・・られないっ』
「うん」
『わかれよって言った・・・けどダメだったっ』
「うん」
『今度そんなこといったら、ヒドイことっされ・・・るっ』

何言ってるか分からないような喋り方でも
関根クンはそれをしっかり受け止めてくれて。

「鈴宮は、逢坂が好きなんだろ?」
『うっん・・・』
「なんでも我を通したほうがいいと思うけど」

短い言葉だけど心に染みた。
我を通す・・・?
あたしには無縁だと思っていたその言葉。いつも人に流されてたなぁ。

多くは語らないけど一言一言に、思いやりが入っている関根クン。
相談してよかったかも・・・。
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