君だけしか映らない
「友達…?」



予想外の荒川の言葉に驚いた。



ずっと嫌われていると思っていたから…。


荒川からのその言葉は何より嬉しかった。



…だが、自分は今荒川に友達以上の感情を抱いているため、多少複雑な気持ちにもなる。



「あ―…ごめん。変なこと言って。今の忘れて…。」


オレが何も言わず黙っていたためか、咄嗟に荒川が謝った。




「…お前、オレのこと嫌いじゃないのか?」



「…!むしろ私が佐伯くんに嫌われてるとばかり思ってたよ?」



「……。」



確かにわざと荒川を遠ざけてきた。その結果、荒川に好かれるはずもないと思っていた。



「佐伯くんが私のこと嫌いなら、無理して好かれる必要もないかなって思ってた。だからいつも佐伯くんには食って掛かってたと言うか…。」



「……。」



「だけどね…1年の時の文化祭で、泣いてた私の所まで駆けつけてきてくれたこと、本当はすごく感謝してたんだ。…って覚えてる?覚えてるわけないか。」


「……!!」




覚えているに決まってる。忘れるハズがない。


それにあの日、荒川への好きって気持ちに気付けたんだから。



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