君だけしか映らない





「恥ずかしい…。」



荒川が小さな声で呟いた。


「私一人で勘違いして、もしかしたら仲良くなれるんじゃないかって期待して…。結構勇気いるんだからね…私みたいな人間が、人気者の佐伯くんに『友達になりたい』って言うの…。」



「荒川…。」



「なんかごめんね。…突然変なこと言って。今言ったことは全部忘れて…?」



その言葉を言いながら、荒川の表情が曇るのがわかった。



「……っ!」



そんな顔をさせたいわけじゃない。



いつも笑っていて欲しいのに、荒川を悲しませているのはいつだってオレ自身だった。




もう…限界かもしれない。



オレは掴んでいた荒川の手を強く握った。



「ちょっと来い!!」



「えっ…何!?」



そのままオレは荒川を強引に引っ張って人気のない裏路地に入った。



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