君だけしか映らない

「悪いのかよ。」


「べ、別にいいと思うよ。ごめんなさい。」


「いつもこんな忙しいのか？」


「え…？うん…まぁこんな感じだよ。」


突然の佐伯悠哉からの言葉に驚いた。


「それにしても佐伯くんはホントに甘いものが好きなんだね。」


そう言って笑美は佐伯悠哉に笑顔を向けた。

その途端佐伯悠哉は思いっきり顔をそらした。



「そんな顔でオレを見るな。」



………え？


その瞬間ズキッと胸が痛んだ。


「ごめんなさい…。」


それ以上言葉を出すことが出来ず、笑美は急いでその場を去った。



そんなに酷い顔だったのかな…。


わかってはいたけど、言葉に出して言われると結構傷付くよ…。


佐伯悠哉の言葉から自分の容姿がよくないことが思い知らされる。


こんな思いをするくらいなら、やっぱり佐伯悠哉とは関わらない方がよかったな…。