天使の悪魔
「っう…佳奈ちゃぁん…」
私は涙目で、佳奈ちゃんが差し伸びた手を受け取った
「っふ…ははは!!」
そんな私を見て、大笑いする佳奈ちゃん
「酷いっ!!笑わないでよ~」
今にも零れ落ちそうな涙を必死に堪えて、佳奈ちゃんをキッと睨んだ
そんな私を見て、佳奈ちゃんは「あん?」と睨み返した。
逆ギレっ!?
「笑わないでよねーっ!人の身にもなってみてよぉ!
こんなにも苦しくて、悲しいんだからっっ!!」
私は擦って血が出た膝を軽く揉みながら俯く
佳奈ちゃんは自分の鞄から消毒水を探し出して、私に渡した。
「あーはいはい。すいませんねー笑って。でも人の身になれって言われても私にはあんたみたいに何もない道路で転ぶことは出来ないけどね!」
『苦しくて悲しいって…』と呟きながら、佳奈ちゃんは絆創膏を私に渡した。