恋愛温度、上昇中!

扉に向かう前にやっぱり少しだけ振り返る。計ったように、彰俊と視線が絡んで、ニコリと笑うその顔に、今真っ直ぐに追いかけてきて、『祥子ちゃん、待って』なんて手を引く漫画みたいな展開はないのだ、と自嘲する。


あたしの方がよっぽどロマンチストだ。


来た時と変わらぬ場所に位置するやけに明るいシャンデリアが目に痛かった。



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