恋愛温度、上昇中!
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「すいませんっ」


頭を下げるのは、珍しく巻いてない長い髪。少し傷んでるな、なんて余計なお世話だけど。


「…あたしは今から製造会社に行きます。予約販売個数の把握と謝罪のダイレクトメールの作成必要なら連絡作業もして下さい。今日中に」


落ち着き払った冷静な声は、小倉さんの泣き出しそうな顔を益々曇らせる。


「あ、あの、」

何か言いたそうな、憔悴しきった顔。

「私が、直接行かなくてもいいんでしょうか?」

小倉さんは、震える声で言う。
この際連れて行く必要はあまりないけど、経験も必要だとは思う。
何より、彼女の表情が何とかしたいと訴えている。


「…分かりました。それじゃあ小倉さんと私は今から会社を出ます。後は、この企画最小限のマイナスと最大限のプラスで押さえて下さい」

我ながら冷たい言い方に、各自それでも真剣に返事を返して、小倉さんもビクっと体を驚かせながら消え入りそうに小さな声で返事を返した。


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