誰よりも愛してる
「部長〜、定年しても仕事辞めないで下さいよ〜。」
部長の最後の勤めの朝、部長に泣きつく私がいた。
「若い女の子に止められるなんざ、無い髪でも後ろ髪がひかれるってもんだな…。」
涙ぐみながら、蛍光灯の光りを反射している頭を撫でる部長。
「そんなに辺見に愛されてるなんて、俺は幸せ者だ…」
「部長、違いますよ。
辺見ちゃん、人見知りだから次に来る新しい部長と会うのが恐いだけですよ。」と仕事仲間のおばちゃんが、部長の肩を叩きながら笑った。