桜空2

――チュンチュン……



次の日。



私は珍しく自然に目が覚めた。



「ん〜…よく寝た…」



ゆっくりと布団から体を起こした


ふと、枕元に置いてあった鏡を見た。



うわ……
すごいキスマークの数……



昨日空に付けられたやつだな。
まったく…こんな目立つとこに付けちゃって…



ま、いいか。



私は布団から立ち上がり、着替えた。



今日は全国各地から大名達が集まる日だ。



私が次期将軍として表に立つ、初めての仕事だ。



もちろん仕切り役は父だけど。



「――おはようございます姫様。お着物のお直しをさせて頂きたいのですがよろしいですか?」



使用人が外から声をかけてきた。


「いいわよー入って」



「失礼致します」



ガラッと扉が開いて、使用人が入ってくる。



「それではお直しさせて頂きます」


「ありがとね」



使用人は私の着ている着物を綺麗に直す。



「…姫様、今日は初めての表でのお仕事ですね」



使用人が着物を直しながら声だけを私に向ける。



「え、えぇ。緊張するけどね」



「頑張ってくださいね!!せっかくお綺麗にされたんですから堂々とですよ!!」



使用人は私に顔を向けるとニコッと微笑んだ。



「ありがとう」



私も一言返した。
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