俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

ぶんぶんぶんっと大きくかぶりを振るあたしに、さらに先輩は妖艶に言った。


「なんなら、もうちょっと掘り下げて教えてやってもいいけど」


「けっ……けっこうです…」


なんとなく想像がついてしまう辺りがまた怖い。


とか言いながらも先輩も動く気配がないので、そのまま身を任せた。

昔っから、人にくっついてるのは好きだ。

ましてそれが先輩なら…❤

なおさら幸せってもの。


「……七月も終わるな」


感傷に浸るあたしにしみじみと先輩が言った。


「…? そう、ですねぇ」


「夏…終わると秋だな」


「そう……ですねぇ…?」


「すると冬か…」


…なに、急に。

なに急に四季折々語りだしてるの?

詩人? 詩人目指すんですかこの人。


「春…好き?」


先輩が好き。

……あ違うか。


「春…あったかいしいいんじゃないですか?」


虫が出やすいのがいやだけどねー。

あたし大嫌いなんだよねーあれ。ほんと死ぬほど。


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