俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
「そこらにはちょうど、お袋の実家だった空き家がある。誰も住んでねぇし名義も俺」
「……」
「住むのはタダ」
「……」
イヤ…イヤ。
言わないで。
これ以上……なにも言わないで!
「……受けようと思う」
「……っ」
…行っちゃう。
先輩が、行っちゃう。
遠くに……行っちゃう。
密かな決意を、告げられた夏の日だった。
そしてこの日、八月十一日は……。
…この日は、あたしの十七の誕生日…。
記憶に残る誕生日となった。