─侵食─悪魔のような男
「ユウリを向かえに行く…」
運転手にそう言うと暢の携帯を呼び出す。
『劉兒か…お前何やってんだ!会社潰す気かよ…ったく』
ぶつぶつと文句を言う暢に劉兒は言う。
「ユウリを見つけたんだ…俺ちょっと行ってくるから♪後頼むなー」
『はっ?!後頼むなって…てーか居たのか子猫ちゃん…酷いことはすんなよ…優しくしてやれ』
「んなことお前に言われなくても解ってるよ…じゃあな」
ぷつりと切れた電話、受話器を片手に暢は「はぁー」っと深いため息を吐き出した。