─侵食─悪魔のような男

突然の出来事にどうしていいか解らずにいた。



劉兒とは違う香り…腕の力強さに、ユウリの胸はドキンと跳ねる。



「ま…さや…さん?」



正也は、ユウリの華奢な身体をギュッと抱き締め、囁くように呟く。



「…ずっと此処にいろよ…」



「…………」



ユウリは頷くことも、首を振ることも出来ずにただ立ち尽くしていた。



ずっと此処には居られない…きっと劉兒は自分を探し当てる。
< 250 / 434 >

この作品をシェア

pagetop