─侵食─悪魔のような男
「ふぅっ…うっ…」
涙を拭った時だった、パキッと小枝を踏む音が聞こえた。
「………つっ?!」
振り返ろうとしたユウリは、後ろから抱き締められていた。
この感触…香り…何も言わなくても解る。
「…劉兒」
「正解…随分と探したよ…お前は悪い子猫だ…お仕置きしなくちゃいけないなぁ」
「おっお仕置き…?」
「そっ…お仕置き…俺のモノになるって言ったのに逃げ出した…許せないな」
ユウリは低く威圧的な劉兒の声に小さく震えていた。