─侵食─悪魔のような男

何となく感づいているのかもしれない。



自分の身に起こっていることを…



小さく溜め息を吐き出し、教室から出て行くユウリの後ろ姿を、見つめることしか出来なかった。



何となく窓から校門に目をやると、ユウリを待つ劉兒が目にはいる。



ユウリの姿が見えたのだろう、片手を上げ優しく微笑んでいた。



「お似合いだよねーユウリが羨ましいよ…」



咲が羨ましそうに2人の姿を眺めていた。



「そうだな…」



2人の後ろ姿を見送って、一也も教室を後にした。
< 35 / 434 >

この作品をシェア

pagetop