─侵食─悪魔のような男

「あぁ…俺お前しかいらないし」



「しょうがないから奥さんになってあげるかな…?」



「なんだよそれ」



「ふふっ…だってこんな悪魔みたいな男あたしにしか面倒みれないでしょ?」



「悪魔って…」



"ははっ"と顔をひきつらせた劉兒は「悪魔…」と繰り返し小さく呟く。



「だって彼女に睡眠薬や手錠だよ?悪魔でしょ」



「…ふっ…悪魔に魅入られた少女…か」



「違うわ反対よ…少女に魅入られた悪魔よ」



劉兒は「どっちだっていいさ…」とユウリを抱き締める。



悪魔か…言ってくれるよ…心のなかで小さく笑い、劉兒は静かに瞼を閉じた。
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