【企】携帯水没物語

お揃い


この話は「携帯」であるあたし目線で進んでいく。


あたしがこの携帯ショップにきたのは、予約がおさまって追加入荷された時。

まぁ二番手って言われたらそれまでだけど。


すました顔して他の仲間達より高い位置で鎮座していた。


あたしが入った日、夕方かな?そのくらいの時間にあるカップルが来た。


色々2人で手を繋ぎながら見てたけど彼女の方があたしを手に取った。


「あ、これCMでやってたよね?」

彼氏に振り返って聞いていた。


「そうだね。俺も気になってた」


あらあら、彼氏いい事言うじゃん。
見た目も悪くないわよ。
あたし結構好みよ、あなた。
彼女も童顔だけどなかなか2人お似合いじゃない。



「あたし…これにする」


「じゃあ俺はこれのブラックにしようかな。お揃いにしようか」

そう言って店員を呼んだ。


ピンクなあたしは彼女の元へ。


これがあたしと持ち主の出会いになった。
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