【BL】愛してるの過去形






(可愛い子だったなぁ……)







放課後になって僕たちは近くのファミレスに入った。
嫌な予感、は当たっていたようで"紹介したい人"と言うのは竜哉の"彼女"だった。

「俺の彼女の」

「大野 梓です
竜哉からよく話は聞いてるの
よろしく、晴紀君」

梓さんはすごく女の子らしくて、可愛い人だった。
隣町の女子高に通っていて、竜哉とは付き合って3週間くらいらしい。

「あ、うん
よろしく」

「お前には、1番に紹介したくって!」

笑顔で言う竜哉が、僕にはまぶしかった。

いつもは好きなその笑顔。
だけど僕にとってそれはとても残酷なものだった。

胸がチクチクと痛んだ。



2人と別れた僕はそのまま帰路へ着いた。



これが高校2年の夏の出来事







< 3 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop