もしも
-戻らない-

あれは高校1年。


「あ,俺,後ろの席みたい。よろしく」と
軽く挨拶をしてきたのは
人懐こい感じの野球少年。

笑顔がやけに爽やかで,
アイツの周りにはいつも人が
集まってきていて,
「近寄りがたいクールな相内さん」
…と陰でいわれてた私とは
全く反対。
実際の私はただ単に
人見知りだけなんだけど,
女友達ができるまで
時間がかかった。
そんなこともあってか,
あの挨拶を機に何かと
アイツと
話すようになっていた。



「席が前後の関係」は
結局,3年間ずっとだった。
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