契りの歌





そう。
私はまだ、外に出ていなかった。(昼はだけど…)


特別、外出を禁止されてるわけでもないから、自分の意思で出ないだけ。



でも、そんな私を気遣って度々沖田さんは、巡察の帰りに甘味を買って来てくれるようになった。




「うーん。
お団子がいいです。」



「分かりました。
帰ってきたら、一緒に食べましょう。」



「はい。いつも、ありがとうございます。」



愛想笑いではない、自然と出た笑みでお礼を言った。




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