新時代神話
「ああ、そうだ。」


「原初の神として、貴様に運命を告げよう。


貴様らはここで死に、なり損ないの神と化け物娘は永遠の苦しみに遭う。」



「運命を告げるとは?」

圭吾が訊ねる。


「いわゆる、宣言よ。

これ自体にとくに力はないわ。」


「俺は運命を告げるっての、大嫌いなんだよ。


運命ってのは、その時が訪れて初めてわかるんだよ。

過去に起きたことが、その時にあれは運命だった、

そういう結果論だろ、運命ってのは。


俺が昔、初めて常盤に会った時も、その時の俺は数多くの人との出逢いの一つだと思った。


だけど、今の俺には奇跡に近い運命だったと思う。



俺が神の力を得たのも、偶然だと思った。

だが、こうしてお前と向き合い対峙してる状況を思うと、こうなるための運命なんじゃないのかと思う。


人間の世界で今までは常盤以外に仲間を作らなかったのに、

俺はこいつらを仲間だと思った。

その時は自分でもどういう風の吹きまわしかと思った。


だが、お前に一時的に消滅させられた時、

こいつらがいなければ俺は助からなかった。


だから、こいつらとの出逢いも運命だった、そう思える。



そして、それは、過去があっての今があるからだ。」
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