新時代神話
「貴殿は一体?」

「人神、岡田幸大だ。」

「私めは、名も無い黒龍。

とんだ醜態を晒し申したこと、お許し願いたい。」

「なにも、そう畏まることは無い。

それに、我を失った姿でも荘厳たるモノ、素晴らしかった。」

「貴殿においては龍神を倒すほどのお力、よほど長く人神として存在されておるのですな。」

「まぁな。

それより、お前の相方は何処だ?
お前が暴れていたのは相方が居なかったからだろ?」


「その通りでございます。

幾年も前の戦争の残骸が最近我々の祠に流れ込みまして、その際に、我が相方の神器が流されまして、そうしたらこの様です。」


「俺が捜すから祠に戻れ。」

「わかりました。

何卒、お願いします。」


龍は海に潜り姿を消した。



「さて、捜すか。」


海に立ち、目を閉じて神器の気配を読み取る。


「見つけた。」




祠からそれなりに離れた所で海藻に絡まった水晶玉を見つけた。

それを持ち、海岸に戻る。


「幸大さん!」

「よぉ、皆は?」

「海の家に避難させました。

しかし、起きる気配が、」

「それは置いとけ、まずはこの玉を祠に置く。」
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