新時代神話
浜辺


「幸大、こっち。」

「どうした?

って、お前。」

「は〜い、久しぶりね。」

胸のバイン、バインな女性がビーチパラソルの下、椅子に寝そべりながら手をヒラヒラさせ挨拶をする。


「竜宮。

何をしてんだ?」


「口の聞き方がなってないわよ?

竜宮《様》でしょ?」

「何か用なのか、竜宮様?」

「貴方には礼儀を叩き込みたいわ。


それはさておき、ちょっとお礼に、ね。」

「お礼?」

「つい最近、黒曜と紫水が世話になったらしいじゃない。

それは、本当は私が何とかしないといけなかったんだけど、ちょっと立て込んでて。」

「たいしたことはしてない。

それより、竜宮様ともあろうお方がてこずるなんて、何があったんだ?」


「実はね、人魚達が襲われたのよ。」

「人魚が?」

「そうよ。

人魚達は私の加護がある神聖な所で暮らしてるのよ。

それが、襲われるなんて、ただ事ではないわ。


あそこに入るのは普通の人間では不可能なはずよ。

でも、襲われた人魚達は襲ったのは人間だと言ったわ。」


「人間がそんな場所に行くなんてありえないだろ。」
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