kiss☆して? ダーリン☆




それに、俺を見上げては顔を赤くする。

…ムカつく。

俺は一瞬、見とれていた。


気付くと俺はコイツを抱え、走り出した。

俺は元陸上部。
出た大会は何度も優勝。

だけど、俺はもう飽きてしまった。

……飽きるしか、なかったんだ。


俺は警備員が立ってる門を通り過ぎた。


「あ! 高円寺っ!! またかっ!」
「待てっ!! 戻ってこいっ!!!」

…ごめんだけど、今回は追いかけて来ないで欲しい。

今、小さな存在を持ってんだよ。
俺はさっきより、スピードを速くした。

コイツを見ると、意識を飛ばしているのか固まってる。

そんな姿でも、可愛いって感じてしまう。
…俺、可笑しい。

なんか柄じゃねぇし、キモイ。


一人、そう思いながら、スーパーを目指した。

スーパーに着くと、スグにウゼぇ奴らに囲まれた。

けど、俺はいつもの様に怒鳴れねぇ。
ってか、今俺の腕に居るコイツが居るから。

女なんてウゼぇ。
ずっとそう思っていた。

けど、コイツはチゲぇな。




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