私の敵はチビ会長



『絶対なんかあったよぉもしかして…付き合ってるとかぁ!!』

『えぇ!!志穂って藍川くんのこと好きなんだ!?』




ウキウキ話す沙織はことの重大さが分かってない


あたしはそんな沙織を見つめて唖然としていた






…普通言うかな


沙織だけに言った秘密をもうばらしやがった沙織


ノリという川に流された沙織はまだ気づかない






『知らなかったぁ?まぁ私は気づいてたけどぉ』

『ほわぁ…知らなかった…でも、志穂の態度見たらそんなこと感じなかったけど…』




得意げに語る沙織に反論する輝


なにも考えてなさそうな顔して意外なことを指摘する



輝の言葉に悩ましげな表情を浮かべて沙織は黙った


なにか考えこんでる様子





輝はそんな沙織をほかっといて、あたしに向き直る



絡み合う視線の中で輝の瞳が鈍く光を放つ


あたしはその瞳に吸い込まれそうになる






『…志穂はさ、初めて人を好きになって戸惑ってるんじゃない?…だから、自分の思いを素直にださないんだよ。』



ゆっくりとあたしに語るように話す声は


決して厳しく問い詰めるものではなくて…




優しく包み込んでくれるよう











…素直



確かにあたしは素直になれない


素直にならなくても周りが察してくれるから、



あたしは直そうともしなかった







『…志穂は、藍川くんに頼りすぎなんだよ。藍川くんは勘がいいみたいだから志穂の言いたいこと察してくれるけど…いまみたいにお互いどうしていいか分からないときは、志穂が言うしかないんじゃない?……志穂は、言葉たらずだよ。』






なにも言い返さないあたし

沙織が心配そうにあたしと輝を交互に見る




あたしを睨む輝の目はさっきみたいな優しさはなくて


分からせたい。その気持ちそのもの





























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