Sleeping dream
【愛の居場所】
朝、目が覚めるとベッドの上で毛布もかけずに寝ていた。



時計はもう九時を差していた。

授業はとっくに始まっている。



生まれて始めての遅刻。



慌てるわけもなく、部屋から出て、一階に降りた。


あの人はもう仕事に行ったみたい。



私以外誰もいない家は近くの大通りを走る車の音しか聞こえない。



机の上にお弁当とお決まりの福沢諭吉が一枚置いてある。


あの人のことは嫌いだけど、金だけ置いとけばいいという考えはもっと嫌い。

母親のフリをしておけばいいと思うのなら、最初から産まなきゃいい。


どうせ、子供はあの人にとって、ペットのようなものなのだろう。

金という名の餌をあげたり、普段は放し飼いにしておいて、時間がある時に構ってあげたりする。




あんたたちみたいな人間が親だから、子供はこんなのになるのよ。






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