唇を塞いで



「か、隠してないよー隠してない。ね、ねぇ?」


「だよね、しぃちゃん」


佐伯くんは勘が鋭い
恐るべし佐伯くん


「いや、隠してる。
ま、言いたくないなら言わなくていいけど…」


よ、良かった……


そうしてやっと歌い始めた3人
でも、あたしは心配だった
このまま隠していけるかどうか

隠せる。
でも、心がいたい


もうすぐあたしの恋は終わる


笑って終わらせることができるだろうか

何より、隠していられるだろうか

何より大事な京に嘘をつくのは何より辛い





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