唇を塞いで
伊藤 仁(イトウ ジン)
それがあたしのお父さんの名前だった
あたしのお父さんは39才
周りよりは結構若いほうで、
見た目も若く見えるから十和と並んだら兄弟に見えるかもしれない
「おかえり、お父さん」
「詩希、またお母さんに似てきたな」
そう言ってあたしの頭を優しく撫でた
「朝帰りしたんだって?」
「だから…それにはちゃんと理由があって…」
優しい顔から厳しい顔に変わっていた
「理由って?」