トライアングル・ラブストーリー


「すみません、お邪魔だったみたいで…。私もう出て行きますから」


「そんなに気を遣わなくていいのに。ま、でも出て行ってくれるなら有り難いわ」


嫌味ったらしくそう言われ泣きそうになった私は、速歩きで部長の横を通り過ぎようとした


けど、部長の手が私の腕を掴み思わず足を止めてしまった


すごく、すごく辛そうな悲しそうな顔で「奈々…」と小さく呟く部長


でも今はその顔を見ることが辛くて、「離して」と言うことしかできなかった



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