トライアングル・ラブストーリー


「言わないわよ。どうせ信じてもらえないだろうし…それに流産しちゃったから証拠もないしね」


まぁそうだな


証拠がなければ奈々も信じないだろう


ほっと胸を撫で下ろした瞬間、どこからか甲高い音が響く


まさか誰かいたのか!?


「誰かいるのー?」と、綾乃が音のしたが方へ歩みを進める


綾乃は誰かに向かって話しかけているようだ


やはり誰かいたんだな…


そう思っていた俺の前に姿を現わしたのは、今1番会いたくない、いや会ってはいけない人物だった


「えっ…」


まさか、どうして奈々がこんなところに……


わざわざ隠れていたということから考えて、俺達の話を聞いていたはずだ


こんな形で奈々に知られてしまうなんて……



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