秘密のMelo♪y①*日本編*


ダダダダダッと、気持ちは全速力で走っている。気持ちはね。

ただ……。


「真緒っち可愛い~❤」


…ただ……。

体が追いついてないだけの話っていうかね。

りんりんね、人が一生懸命なのに可愛いとか言わないでよね。


「ふにゅ~…もうむりぃ」


「頑張りや真緒ちゃん! ほれ見てみい。目の前やんけ!」


「あ、ほんとだ」


目の前も目の前。

力尽きて止まった場所は、教室のドアの前だった。


少しだけ深く息を吸って、恐る恐る扉を開けた。


「うっ…」


そそくさと…一番背の高い、かっくんの後ろに隠れた。

皆さんの視線が痛いです。

あたし、こういうの苦手。


「すんませーん。迷ってしもて」


しゅっちゃんがへらへら笑いながら、睨む先生に謝罪ともいえぬ謝罪をする。



< 43 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop