龍の花嫁~ちはやふる・冬絵巻~
☆龍の純情~ナルside~

 主を失い、傷ついた俺は人の世界に落ちて来た。



 主の力によって俺の体は巨大化することが出来、人の姿になることも出来た。
主を失った俺は赤ちゃんくらいの小さな身体で彷徨っていた。安住の地を求めて。



 俺の見付けた場所は小さな村のそばに在る小さな泉。



 しかし、安住の地とは言えなかった。



 「!!!?」


 傷ついて弱った俺を子供達が周囲を囲み、木の枝で物珍しげに突っつき、
足蹴りする。しかし、俺には抵抗する力など残っていなかった。


 飽きて子供たちが去るのを待ち、必死に耐える。



 「傷ついた生き物にひどいことしてはいけない!!」



 





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