ハネノネ
少しだけ歩いて、俺のアパートの前に辿り着いた。
俺とヒカルが、随分遠回りしてやっと結ばれた場所
ハネの病が無ければ、俺達が結ばれることはなかったのだろうか。
なんてバカバカしい考え
笑えなさすぎる。
ふと気が付くと、左耳に感じていた虫の息が聞こえなくなっていた。
「ヒカル…?」
怖くなり思わず手の力を緩めてしまったら、ヒカルの体は俺の背中を滑り落ち、地面に降り積もったハネの上に力なく倒れこんだ。
ああ
逝ってしまった
そう理解した時、堰を切ったかのように涙が溢れ出た。
ヒカルの前では泣いてはいけないと思い、溜め込んだ分が一気に出てきた。
もう動かなくて
冷たくて
どうしようもない悲しみがとめどなく溢れた。
「死んでしまったの?」
声が聞こえた。
道端でぐしゃぐしゃに泣き崩れているのを見られたのが恥ずかしくて、俯いたまま頷いた。
俺とヒカルが、随分遠回りしてやっと結ばれた場所
ハネの病が無ければ、俺達が結ばれることはなかったのだろうか。
なんてバカバカしい考え
笑えなさすぎる。
ふと気が付くと、左耳に感じていた虫の息が聞こえなくなっていた。
「ヒカル…?」
怖くなり思わず手の力を緩めてしまったら、ヒカルの体は俺の背中を滑り落ち、地面に降り積もったハネの上に力なく倒れこんだ。
ああ
逝ってしまった
そう理解した時、堰を切ったかのように涙が溢れ出た。
ヒカルの前では泣いてはいけないと思い、溜め込んだ分が一気に出てきた。
もう動かなくて
冷たくて
どうしようもない悲しみがとめどなく溢れた。
「死んでしまったの?」
声が聞こえた。
道端でぐしゃぐしゃに泣き崩れているのを見られたのが恥ずかしくて、俯いたまま頷いた。