ハネノネ


ナキの背中に生えた大きな羽根から、無数のハネが荒れ狂ったように舞い踊る。



もはや、市販のマスクなどなんの意味もない。



ナキの怒りに触れた僕は、このまま毒に侵され死ぬのだろう。

それならそれで、一向に構わない。




あたりに散らばるハネはやっぱり綺麗で、

普段見ていたハネよりも、キラキラと輝いて見えた。




これは、ナキの涙なのだろうか。




そう思ったとき


意識が遠くなる感覚がして、僕はゆっくり目を閉じた。


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