雨に恋した華 〜君とずっと〜
「紫、帰るぞ」


目の前にいた虹ちゃんが、そう言いながら立ち上がった。


何よ、それ……


「え〜っ!!ダメだよ、長谷川君!今イイ所なんだからさ!」


すかさず虹ちゃんの腕を掴んだ森さんが、必死に彼を引き止める。


「すみません。俺、本当にそろそろヤバイんで……」


何がヤバイの……?


そんな曖昧な発言で、今更あたしの心を掻き乱さないで欲しい。


だって…


あたしはもう、虹ちゃんとは違う道を選ぶって決めたんだから――…。


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