王子様の甘い誘惑【完】

「もう一回言えよ?」


背中を壁に押し付けられた体制じゃ、身動きが取れない。


蓮の両手はあたしの肩をガシッと掴んで離さない。


どうしよう……これじゃ蓮の思うがまま。


だけど、ここで負けを認めるなんて絶対に嫌……――!!


「……おぼっちゃま」


「あ?聞こえねぇよ」


「……おぼっちゃまくん!!」


大声でそう叫ぶと同時に、蓮は何故かクスッと笑った。

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