王子様の甘い誘惑【完】
「……あの、失礼ですけど……あなたは?」
すると、愛子さんはあたしに視線を向けた。
「あたしは……――」
蓮の彼女です。って言うだけなのに、喉の奥で何かが邪魔してる。
その間にも、愛子さんは不思議そうな表情であたしを見つめている。
「友達……なのかな?あの、ちょっと蓮借りてもいいですか?」
愛子さんは首を傾げてニコッと笑う。
その笑顔はお姫様みたいにキラキラと輝いていて。
蓮が王子様で愛子さんがお姫様。
……二人はやっぱりお似合いだ……。
あたしなんて、到底かないっこない。