王子様の甘い誘惑【完】
あたし……今、ユキ先輩と……キスした?
唇を指でなぞると、まだその感触が残っている。
「ごめん。不意打ちはもうやめるよ」
ユキ先輩があたしの顔を覗き込んだ瞬間、全身がカーッと熱くなった。
あたし……何してるの……?
不意打ちとはいえ、蓮っていう彼氏がいながらユキ先輩とキスしちゃうなんて……。
それに、サヤがユキ先輩のことを好きだって知ってるのに。
あたし、最低だ!!
思わず先輩から距離を置いた時、背後で物音がした。