王子様の甘い誘惑【完】
「どうした?殴ればいいだろ?それとも、俺に対する罪悪感は持ってるのか?」
「……クソっ……――!!」
蓮は腕を下ろすと、悔しそうにギュッと拳を握りしめた。
その姿がどこか弱々しくて。
思わず蓮の元へ駆け寄ろうとした時。
「……蓮、気にすることないよ?ねぇユキ、言いすぎだよ!!あたしは蓮に傷付けられてないよ!?」
あたしより先に、愛子さんが蓮にいち早く駆け寄った。
その途端、急に心臓がザワザワと煩くなり出した。