王子様の甘い誘惑【完】
「旧校舎の中にあるって噂だよ。しかも、その部屋に入れるのは数少ない生徒だけ!!」
サヤは得意げに鼻を鳴らしながらそう答えた。
「ふぅん。でも、この学校に旧校舎なんてあったっけ?」
「あるよ。ほらあそこ!!」
「ん?どれどれ……?」
階段の途中で突然立ち止まったサヤは窓の外を指差す。
「えっ?あれのこと……?」
だけど、そこにあったのは期待はずれな建物で。
サヤの指差す先にあったのは、今いる校舎とは比べ物にならないほどボロイ校舎だった。