愛されなくても愛してる

次の日の朝。



「かぁくん 朝だよ」

いつもはママがそう言って

ぼくを起こしてくれるのに

今日は違った。



目が覚めると

ぼくは一人だった。







ぼくは声を出して

ママを呼んだ。





ぼくの所に来たママの顔に

青い色がついて

ママの目が腫れていた。





どうしたの?

ママ、顔が痛そうだよ。



『マ〜…、マ〜…』

こんな時なのに

上手に言葉が出ない。







ママはぼくを抱っこして

泣いた。





ぼくは生まれて初めて

ママの泣き顔を見た。







空の上から見てた

あの泣き顔。



パパに怒鳴られて

パパに叩かれて

泣いてた、あの泣き顔。







ママ 泣かないで。

ママ 泣かないで。





もう少し

ぼくが大きくなったら

ママを抱っこしてあげる。





もう少し

ぼくが大きくなったら

ママを守ってあげる。
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