Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~
「開けてみろよ」


「うん!」


ガサ…


「コレ…」


「安物だけどな」


俺のあげたのは…指輪。ネックレスと合わせて蝶々の指輪。


「綺麗…」


美歌は、うっとり眺めてる。気にいってもらえたみたいだ。


「つけてやるよ」


言って、美歌の薬指に指輪をはめた。


「指輪って、左手につけるものでしょ?」


「あ、こっち右手か」


左右間違えた。美歌の右手の薬指から、指輪を抜こうとした時、


「あ、やっぱ右手でいい」


なぜ?普通左だろ!


「結婚したら、左手にする」


「それって…」


俺と結婚したいってことだよな?


「結婚する時は、もっと綺麗な指輪買ってやるのに」


「いらない」


…ぅ!断られた。


「この指輪がいいの
それに、この指輪より綺麗な指輪なんて、どこ探しても無いと思う」


美歌…


「だからね
結婚するまでは右手…ってダメ?」


「や、それでいい」


なんつーか…嬉しいな。


「そんじゃぁ、また明日!」


美歌ん家についちまった。時間経つのって速い。


「あ、ちょっと待って」


美歌に呼び止められた。


「誕生日プレゼントのお礼しなきゃ」


「へ?いいって」


今日は美歌の誕生日であって、俺の誕生日じゃないし。
ちなみに俺の誕生日は7/7。真逆の季節だし。


「いいから目つむって」


「いいっつってんのに…」


とか言いつつ、俺は目つむった。
やっぱ美歌の選んでくれたプレゼント、欲しいからな。

チュッ


「…っ!」


唇に、柔らかい感触が…!?
これって…


「えーと…ままた明日っ////」


バタン

美歌は家に入って行ってしまった。


「ちょっと、美歌!?
おーい、美歌!?」


美歌のやつ…出てこねえ。絶対聞こえてんのに。


「…サンキュー!最高のお礼だよ!
んじゃなァ~♪」


そう言って、俺は帰った。ルンルン、スキップしながら。





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