Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


「そ、そんじゃぁ…
あたし、そろそろ帰るねっ!」


そう言って、
置いてた荷物を手にとる、花音ちゃん。


「うんっ!
ばいばいっ
また明日~」


私は花音ちゃんに向かって、
大きく手を降る。


「バイバーイッ☆」


そう言って、花音ちゃんも、
大きく手を降ってきた。


…って言うか、
花音ちゃんの好きな人、
謡くんだったんだっ!

お似合いだけど、
ちょっと意外。


…だって、
花音ちゃんって奏楽の事好きだと思ってた…

でも、良かった。

違って。


花音ちゃんに好きな人を教える時に、
緊張と恥ずかしさでいっぱいで、
花音ちゃんも奏楽のこと好きって思ってたことは、

忘れてた。



今思うと…
奏楽が好き…って言った後に、


『嘘~あたしも…』


ってなったら…私、どうしてたんだろ?


まぁいいや。

違ったんだし。

過ぎたことだし。


それより気になるのは、
花音ちゃんの、
時々見せる、切なそうな表情…


どうして、あんな表情するんだろぅ…?


その時の私は、
花音ちゃんの表情の意味を、
全く気づいていなかったー…


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