Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


「どうしたの?
奏楽?」


花音が心配そうに話しかけてきた。


今、俺はそわそわしてたまらない。

何故かというと…


「なぁ、花音。
今日美歌は?」


そう。

一時間目の授業が終わった今でも、
美歌の姿が見当たらない。

それが、今俺がそわそわしている理由だ。


「あ~!
美歌ちゃん、
風邪で休みみたい。」


美歌が、休み…?

大丈夫なのかな、美歌。

家で1人で、
しんどい想いしてるんじゃ…


「心配なの?
美歌ちゃんが。」


「ぇ、いやっ!
そそ、そりゃぁ…
友達が熱出してたら、
心配に決まってんじゃねぇか!」


不自然すぎる、俺…。

セリフかみかみだし。

かっこ悪…


「じゃぁさ、
放課後皆で御見舞行こっか♪」


皆で行ったら、
美歌も喜ぶと思うんだけど…
俺は今すぐ、美歌に逢いたい。
だから…


「いや、
俺1人で今行って来るわ。」


「ぇ、ちょっと奏楽…授業は?!」


「んなの、サボるっ☆」


そう言って俺は、
ダッシュで教室から出て…

教師に見つからないように、
学校からも出た。


タッタッタッタ…


ダッシュでそのまま美歌ん家によろうとしてたけど、
俺はコンビニの前で足を止めた。


御見舞なんだし、



なんか買ってった方がいいよな…
そう思って。




< 55 / 129 >

この作品をシェア

pagetop