Beats! ~美歌と奏楽の恋物語~


「おっはよーッ
奏楽っ!!」


後ろを振り向くと、
花音が居た。


「おっす、花音っ!!」


俺も明るく挨拶を返す。

いつもなら、
眠くてダルい…朝なのに、
今日は気分がいい。

昨日の事があったから、気分がいいのかも。


「…珍しいねぇ~
奏楽が朝から元気なんて。
何か良いことでもあったの?」


さすが花音。

幼馴染なだけあって、すぐ気づかれた。


「…あぁ。
すんげぇ良いことあった☆
聞きてぇ?」


「うんっ!
気になる~ッ」


花音は興味深々の様子で、
俺の話にくいついてきた。


「実は俺…
昨日、彼女出来たんだッ☆」


俺は、顔がにやけるのを抑えながら話した。
いや…多分にやけてるだろうな。


「…へ…ぇ~
だ、誰なの?
彼女って。」


「美歌だよっ!
美歌っ!」


俺はよくぞ聞いてくれましたと、
言わんばかりに答えた。


「…ょ、よかったじゃんっ!!
おめでとーっ!
絶対美歌ちゃん、
大事にしなさいよねっ?」


花音は笑顔でそう言ってくれた。


「言われなくても大事にするっつ~のっ」


「ぁ、そうだっ
あたし用事あったんだっ!
ごめん、先に学校行くねっ!
じゃぁっ!」


「ぇ、おいっ花音…」


花音は走って行ってしまった。

どうしたんだ?花音の奴…。

明らかに不自然だろ。



俺の耳には、さっきの花音の声は、
震えているように聞こえた…


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