――Rain
「おせっかい」

鈴は立ち上がって、怪我をしていない方の手で銃を持ち上げた

「変人、変わり者、あまのじゃく」

よく見ると白いシャツに赤黒い液体がいくつも飛んでいた

鈴がカチャリとこちらのおでこに銃口を突きつける

なんかコレ、日用品みたいに目にするようになってきたな

危機的状況なんだろうが頭はやけに冷静に別のことを考えていた

「俺ね、両利きなんだよ」

鈴が悪戯に小さく笑う

あ、こんな風にも笑えるんだ

「アンタが手を伸ばせば
それよりもっと早く取って撃とうと思ってた」

さらっとなに物騒なこと言ってるんだよ

鈴は銃口を外して足に巻かれたベルトに銃を戻した

「雨も降ってないのに?」

尋ねると、目と目が合う

例のお気に入りソファーにどさっと腰を下ろし足を投げ出す





週間予報はしばらく晴天続きを知らせた
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