試恋
そんなこんなで話が進められていく中、玄関の方から「ただいま~」と言う単調な声が聞こえてきた。
この声、もしかして…。
「母さん、誰か来てるの?」
ドアから現れたのは、スタイリッシュな顔立ちをした男。
彼のその容姿は、小さい頃から変わっておらず恰好いい。
「セイちゃん!!」
そう、彼とは、あたしの幼なじみの誠人‐セイト‐。
「セリちゃん?!」
吃驚しているのが一目で分かるくらい大きく目を見開かせてる彼。
こう言ったらきっと怒るだろうけど、その表情はとてつもなく可愛い。