ラブ☆パニック
「…咲月」
「え?」
隣を見ると、悲しい顔をしてる涼が居た。
だけど、スグに笑顔になり「沙希もなにか弾ける?」そう聞いてきた。
「うん、ちょっとならね」
アタシは微笑んで、姫川大和を見た。
すると、途中でもありながら、ピアノの演奏がストップした。
そして、アタシに近づいてくる姫川大和。
「弾いてみてよ」
「大和、ピアノのプロもしてるんだ。良かったら弾いてみれば?」
「え…?」
アタシは少し躊躇ったものの、素直にピアノに近づいた。
今は、丁度弾きたい気分だった。
弾いて、少しでも楽になりたかった。
アタシはゆっくりピアノに触れた。
綺麗な白と黒。
アタシはショパンの別れの曲を弾き始めた。
大好きな曲。
アタシの好きな、曲。