きっと好き



神谷の唇がゆっくりと離れて
神谷は私に触れたまま、目を細めて笑った。



びっくりし過ぎて私は口をポカンと開けて、瞬きをするしか出来なかった。





「はい、俺の悩みおしまい!
ひかるのお陰で解決!!」



そう言うと神谷は私のカバンを持って

「帰ろ!」

って笑った。




「…え、あ、うん。」





歩き出した神谷の後を付いていく。


もう、脳ミソでは何も考えられなかった。


だって、ちゃんとした“キス”なんて初めてしたんだよ。

全部スローモーションに見えて、目を閉じることも出来なかった。


神谷には“あいさつ”でも
私には、そうではないから。













神谷、本当は気付いてるでしょう?
私が好きになっちゃいそうなこと。





だから、嫌われようとキスするんでしょう?


お決まりのパターンなの?それ。

手遅れかもね。













心臓をバクバク言わせながら、今日も神谷と手を繋いで帰った。








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